新しいワークプレイスビジョンの構築:ある金融企業の事例
新しいワークプレイスビジョンの構築
パンデミックの影響を分析して新しいビジョンを構築する
オランダに本社を置くある国際的な金融機関は、他の多くの企業と同様、パンデミックとそれに伴うロックダウンに直面していました。
この組織では元々、多くの従業員同士や部門間での密接なコラボレーションが活発に行われていましたが、パンデミックによって物理的に会うことができなくなったため、コラボレーションが崩壊していました。そこで、取締役会の依頼を受けたVeldhoen + Companyは、この状況の影響を調査し、将来の働き方に関する新しいビジョンという形で改善策を提案することになりました。
インサイトの発見
調査を実施するにあたり、仕事における活動量について定性的に検証されたインサイトを得るべく、アンケート調査を行いました。
その結果、多くの発見がありましたが、その中でも特に、在宅勤務の結果と回答者への異なる影響度合いを示すものが際立っていました。例えば、勤続年数の長い社員は、通勤・移動時間が減り、自分の時間をコントロールできるようになったことに対し非常に肯定的でした。また、彼らが組織内の人間関係をすでに確立していたことも、この点と強い関連性がありました。一方、入社したばかりの社員は、社内のネットワークを構築できていないため、自分の居場所を見つけることが困難というのが明確に出ていました。この結果は、社内ネットワークを構築し、維持することの重要性を示しています。
ビジョンの形成
ビジョンを構築する際は様々な要素を考慮しつつ慎重に議論することもありますが、取締役会はオフィス以外の場所での仕事も可能にするという明確な立場を取りました。社内ネットワークを構築することの重要性を念頭に置いた上で、以下の3つの明確な柱を軸にビジョンを構築しました。
- まず、オフィスの機能は、社内ネットワークが限られている人に特に焦点を当て、交流の必要性が中心となる場所へとシフトすること。
- 第二に、物理的な交流が起こる瞬間について話し合うために、継続的な対話を文化として取り入れること。その根本的な理由として、物理的な交流を促すことももちろん大事な一方で、必要なときに必要な施設を利用しながら、どこでどのように働くかを柔軟に選ぶことができるようにもなるからです。
- 第三に、テクノロジーを使うことにおける重要性が増したことを働き方に反映すること。単にテクノロジーを持っているだけでなく、より高いレベルでテクノロジーを最大活用できるようにするために必要なスキルを全ての人に意識的に訓練することが重要となりました。
上記のモデルが示すように、私たちはまず、競争上の優位性を生み出す組織能力の中で、戦略実行のギャップを特定します。次に、ワークプレイスのメタデータから得られたインサイトを用いて、すべての異なるビルディングブロックの傾向を分析します。
2021年に向けて新たなスタートを切りましょう。
インサイトがどのように貴社のビジョンを形成するかについて、弊社にお問い合わせください。