Veldhoen + Companyは、ハイブリッドワークを含めた新しい働き方を実践していく上で、人の行動、その活動を適切に支える物理的環境、そこに新たな価値や体験を提供するテクノロジーの3つの要素を同等に揃えることが大切だと考えています。今回はテクノロジー分野に注目し、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社主催のウェビナー「リアルとデジタルを最適化するDigitally Rebalancedな働き方 – 人を中心にこれからのワークプレイスを考える –」に10月5日に登壇しました。

本イベントでは、同社代表取締役の落合陽一氏、マネージング・ダイレクターの小川淳氏と、昨今の働き方トレンドや現在オフィスの現場で活用されているプロダクトの最新事例、そしてタイトルにあるリアルとデジタルを融合したこれから働き方のあり方について議論しました。

オフィスで働く価値を高める技術やテクノロジーに注目

本ウェビナーでは、テーマの1つとして「オフィス出社の価値を高めるテクノロジー」に注目しました。

その理由は、パンデミック前とそれ以降の働き方を比べたときに私たちが無意識に出社することがなくなったことが背景にあります。リモートワークを実践するきっかけを経て、出社するのも自宅で働くのも私たち自身が常に考えながら決められるようになりました。

この出社と在宅のバランスの取り方は企業によってさまざまですが、多くの人がハイブリッドワークを経験した今、以前のように皆が毎日オフィス出社を行う日々に戻ることはありません。実際に私たちが過去2年間に行ったサーベイでも回答者約5,700人のうち60%以上が週3日以上のリモートワークを将来的に希望していることがわかり、日本国内の傾向として出社する頻度は今後も限られるだろうと予想しています。

ここ数年で急激に普及したリモートワークですが、一方でそのデメリットも見えてきました。一般的に在宅勤務のメリットには、通勤に費やす時間を業務に使えることや他人に話しかけられず集中作業がしやすいことが挙げられます。他方、チームメンバーとの集中的なコラボレーションや、トレーニングやコーチングといった学びの機会の提供、お互いを知るために必要なカジュアルな交流はオフィスの方が適切な活動として認識され始めています。そのため、オフィスを持つ目的や使い方は以前と異なる形でその価値を発揮することになります。

弊社のサーベイで見えてきた在宅勤務のメリット・デメリット

整理すると、出社の頻度はパンデミック以前より少ない状態が続きますが、出社した時の体験価値を高められるオフィス環境は今後さらに求められます。テクノロジーによってリモートワークは可能になったわけですが、逆に「オフィスに行く目的は何か」という問いに対しても、技術やテクノロジーの視点で何ができるかを考えることは私たちにとって重要なテーマの1つでした。

実際にオフィスで活用される最新技術・テクノロジー

ウェビナーでは、オフィスの現場で実際に活用されている製品の具体例として、ピクシーダストテクノロジーズ社の製品が紹介されました。

先述のようにオフィス出社の最大の目的の1つにはさまざまな形式のコラボレーションが挙げられますが、その際に必要なメンバーの位置把握やコラボレーション活動に適した場所の確保に役立つ高精度な屋内測位システムhackke™ (ハッケ)、また集中作業やコラボレーションなど、それぞれの活動を各スペースが効果的にサポートするために必要な吸音性を高めるiwasemi™、さらには空間内にカメラ等のセンサーを設置し空間データを収集して行動・業務の可視化・改善に使われるKOTOWARI™といった製品が生産性の高いオフィス環境構築を目的として実際に企業オフィスに導入されています。

在宅環境と差別化を図る形で新たな技術やテクノロジーがオフィスに導入されると、それに合わせたオフィス勤務と在宅勤務のバランスを考える思考力がさらにワーカーに求められるでしょう。自身が最大の価値を提供するには、どのような活動においてリアルの場、またはデジタルの場を選ぶべきなのか。自身の成果を最も発揮できるDigitally Rebalancedな働き方に対する答えはどこにあるのでしょうか。

iwasemi™を紹介する落合氏

Digitally Rebalancedな働き方とは

登壇者の1人の落合陽一氏は、オフィスとは別にある自身のアトリエで15ものディスプレイを使って日々仕事をしているといいます。プログラミングや執筆活動などの作業用、リモート会議を含む配信用、データ管理用と用途ごとに使い分けており、ここまでデジタル環境を整えるのも自身が「デジタルに存在していた方がバリューを出せる」ことを前提としていました。実際に一緒に働く従業員からも、オフィスまでの移動に時間をかけるよりもデジタル空間にいて時間を空けてくれた方が相談しやすいと、組織としてのつながりを維持しやすい働き方を実践していました。

それとは対照的に一般的な国内の働き方の課題として、普及するリモートワークに対しワーカー自身のデジタル環境が十分に用意されていないケースが多いことが議論で挙げられました。デジタルで働けるよう環境が最適化されていない中リモート重視で働く人は、インターフェースの分だけ損失が大きくなるのでは、と落合氏は指摘しています。本来対面で話したほうが話しやすいのにリアルの場にいない人は出社した方が適切であり「風邪をひいているのと回線が悪いのは同じぐらいのダメージ」という落合氏独自の視点も、リアルとデジタルの働き方を総合的に考える上で重要でしょう。

この観点は、先述のように週の半分以上のリモードワークを希望する傾向が日本国内で強いことを踏まえると今後さらに深刻な課題となるでしょう。また弊社のこれまでの経験から、ミレニアルやZ世代などデジタル慣れをしている若年層のワーカーほどリモートワークを希望する声が強い一方で、経済的な理由等で自宅の環境を十分に整えられないためにオフィス出社を希望する傾向も見えてきています。彼らがオフィス出社に積極的なのは賢明といえますが、見方を変えれば彼らがデジタルな働き方で成果を出すポテンシャルを潰してしまわないよう組織側が環境を整える方法を考えることも必要となるかもしれません。

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そのほかにもリアルとデジタルのバランスを考える上で、そもそもオフィスに行くという選択がワーカー個人に100%委ねられる環境が整っているかどうかも重要です。実際に「マネジメントしやすい」という理由で従業員が出社を余儀なくされるケースもまだ多く見受けられます。テクノロジー環境の整備以前の話として、そのような組織的課題を克服することもDigitally Rebalancedな働き方の根底には必要です。

今後に向けて

デジタルな働き方といったテーマの議論では、具体的なツールや製品など答えをすぐに求めてしまいがちですが、「リアルとデジタルの両方を最適化する」という視点を持つとその考え方は大きく変わるのではないでしょうか。

新しい物理的空間やテクノロジーによる環境変化や、リアルとデジタルそれぞれで適切とされる活動の整理、またその中での優先順位によって、自身の理想的な働き方には常に変化が生じます。そのバランスを常に考えることが今後求められるでしょう。実際に落合氏自身もオフィス出社の目的としてキーパーソンとの会議に加えてプロダクトの試作品を見てエンジニアと議論をすることも重要であるためオフィスにいる機会を増やそうと、自身が行う活動を考えながら今もデジタルとリアルのバランスを調整されているようでした。

Veldhoen + Companyではこれからも変化し続けるデジタルとリアルのバランスについて考えていきたいと思います。

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