Case Study Overview
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ブリヂストン
イノベーションパーク
業種:製造
所在地:東京都小平市
対象人員数:約2,500名
稼働開始:2022年4月
The Back Story
The Back Story
ブリヂストンは、イノベーションの加速を目的に、2015年より開発・生産拠点の再構築に着手しました。その一環として、半世紀以上稼働してきた東京・小平地区の⼯場を再開発し、グローバルなイノベーション拠点「Bridgestone Innovation Park」を構築しました。
BIPを構成する3つの施設の中でイノベーションの中核を担うのがB-Innovation(以下BI)です。BIは多様なステークホルダーとの「共感・共議・共創」する場として位置付けられ、ブリヂストンの強みに加え、他社や大学・研究機関、スタートアップ、行政など異業種・異分野の知見を結合し、新たな価値を生み出すことを目的に2022年4月にオープンしました。
大規模な物理的環境の整備にとどまらず、新しい働き方にも取り組みながら、より一層の自主性を尊重する組織風土への変革を進めてきたブリヂストン。一人ひとりのパフォーマンス向上と共創によるイノベーションの促進を目指す中で、その過程にはさまざまな課題やアプローチが存在しました。
課題
研究開発新棟の建設に向けて、プロジェクトチームは新しい働き方を模索していましたが、そこで以下のような課題が明らかになりました。
- 小平地区で勧められた組織風土変革では、1000名を超える従業員が理想とするワークシーンを描き出し、組織としてのありたい姿も設定しました。しかし、理想を日常の働き方へ落とし込み、具体的な行動へつなげられている従業員は一部に限られていました
- プロジェクトメンバーの1人は、⼊社当時から縦割りの組織特性を感じていました。⾃部⾨の業務に意識や時間が集中することで、他部門の活動に触れる機会は限られ、社内で進む働き⽅変⾰の議論や情報も届きにくい状況でした
- プロジェクトメンバーはB-Innovationのオープンに向けて、小平地区で働く全従業員を対象に定期的なタウンホールミーティングを開催。しかし、将来の理想像を語っても、自分自身の働く姿を具体的にイメージできない従業員は少なくありませんでした
プロセス
ブリヂストンが真摯に取り組んできたプロジェクトのコンセプトや課題の共有を含め、V+Cのコンサルタントは3段階でプロジェクトに携わってきました。
Phase 1[調査・分析フェーズ]では、社内で議論されてきた働き方の「ありたい姿」をBIP経営層とともに再整理し、現状の働き方を分析しながらABWの導入可能性を検証しました。
Phase 2[計画フェーズ]では、ステークホルダーとのワークショップを通じて、オフィス空間や運用要件を整理しました。2022年4月から稼働するBIの共創スペースについて、ABWの観点でレイアウトを見直し、アップデート内容を取りまとめました。
Phase 3[働き方の実行フェーズ]では、BIの本格稼働に向け、ABW理解促進と働き方の具体化を目的に階層別トレーニングを実施し、上級管理職にはワークショップ、部長職層にはオンライントレーニングを行いました。
結果
2022年のBIのオープンから取材までの約3年間で、いくつかの成果が見られました。
- 活動に応じて空間を意図的に選択する意識の芽生え
- 部門を超えた仕事の「見える化」
- 働き方に関する意識調査における数値の向上
理想とする組織風土に一歩ずつ近づいていることはプロジェクトの大きな成果であり、今後も継続的に変革を進めるための貴重な糧となっています。
