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2025年 ABW × ハイブリッドワークの最前線 ─ 欧州の最新オフィスに見る実践と進化

3 4月 2025

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これからの働き方を探るために欧州へ

柔軟で多様な働き方が急速に浸透する中、オフィスの役割も大きく変化しています。ハイブリッドワークの普及やABW(Activity Based Working)の導入が進む今、企業はどのようにワークプレイスを最適化し、従業員の生産性と満足度を向上させているのでしょうか?

その答えを探るべく、Veldhoen+Companyはスウェーデンとオランダの先進企業6社を訪問する視察ツアーを実施しました。オフィス見学に加え、ファシリティ担当者へのインタビューを通じて、ハイブリッドワークの導入プロセス、実践方法、企業文化の変革について深く学びました。

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今回の視察先企業
企業名
視察先所在地
業種
従業員数
Booking.com アムステルダム(オランダ) オンライン旅行代理店 約20,000名
Catawiki アムステルダム(オランダ) オンラインオークション 約750名
PwC アムステルダム(オランダ) コンサルティング 約327,000名
Alliander アムステルダム(オランダ) エネルギー 約10,000名
SKF イェーテボリ(スウェーデン) 製造業(ベアリング) 約44,000名
Volvo Penta イェーテボリ(スウェーデン) エンジン製造 約2,000名

 

スウェーデンとオランダの比較

今回訪れたスウェーデンとオランダは、どちらもハイブリッドワークとABWが浸透している国です。両国に共通するのは、個人の自律性を尊重し、フラットな組織文化を重視する点です。一方で、それぞれの国民性には違いがあり、その特徴がワークプレイスのあり方にも反映されています。

オランダの特徴

  • 実利的な社会:効率性と柔軟性を重視し、最適な働き方を追求する文化
  • ダイバーシティ&インクルージョンの推進:多国籍な人材が集まり、多様な価値観が受容されている
  • オープンなコミュニケーション文化:率直な意見交換が好まれ、意思決定が迅速
  • 自転車文化の発展:都市部では自転車が主要な移動手段となり、通勤スタイルにも影響

スウェーデンの特徴

  • 福祉国家の先進国:手厚い社会保障制度が整い、育児や介護と仕事の両立がしやすい
  • フラットな組織文化:上司と部下の関係が対等で、個人の裁量権が大きい
  • ワークライフバランスの重視:定時退社が一般的で、長時間労働を防ぐ文化
  • サステナビリティへの意識の高さ:企業も環境負荷の低減に積極的で、オフィスデザインにもエコロジーが反映
  スウェーデン オランダ
リモートワーク実施率 約45〜50% 約60%
ハイブリッドワーク導入企業 約70% 約80%
政策支援 政府が柔軟な働き方を推奨 在宅勤務権利法が整備
文化的特徴 ワークライフバランスを重視 労働者の自律性・成果主義

両国のハイブリッドワークをめぐる状況

視察から見えてき働き方のトレンド

1. ハイブリッドワークの社会基盤化

欧州では、経営者と従業員の双方がハイブリッドワークの利点を理解し、柔軟な働き方が定着しています。特に、ライフワークバランスを重視する国民性が、その浸透を後押ししています。

2. 従業員体験の向上

「オフィスに来た際はコミュニケーションに集中する」という考えが各社で徹底されており、そのための環境整備が進んでいます。例えば、Booking.comやPwC、SKFでは、充実したカフェスペースやフードサービスを提供し、社員同士の交流を促進しています。

3. チェンジマネジメントの重要性

ワークプレイスの変革は、ファシリティマネジメントとチェンジマネジメントが連携することで、より効果的に推進されています。PwCやSKFでは、一つの拠点での経験を他の拠点にも展開し、継続的な改善のサイクルを回し続けています。

4. サステナビリティの追求

オフィス設計においても環境配慮が進んでおり、エネルギー効率の高い建築やリサイクル素材の活用が当たり前になっています。Allianderでは、建築の大部分をリサイクル素材で再構築し、エネルギー消費の最小化に取り組んでいます。「金銭的コスト」よりも「社会的コスト」を重視する姿勢が根付いています。

5/16(金)開催の報告会にご参加ください

今回の視察では、各社が自社の組織文化や規模に合わせて、働き方とオフィスをアップデートし続ける仕組みが構築されている姿が印象的でした。PwCやSKFなどではさまざまなテクノロジーの力を借り、CatawikiやVolvoPentaでは担当部門が各部門と密に連携することで、”今"の働き方にあったオフィスを構築しています。

各社の具体的な取組みや実際のオフィスの様子など、このブログでは語りきれない内容をさらに詳しくお話しする報告会を5月16日(金)に開催いたします。

👉 報告会の詳細はこちらから

視察で得た知見を直接共有し、参加者の皆さんと働き方の未来について意見交換する貴重な機会になれば幸いです。ぜひご参加ください!


 出典

  • Eurostat(2023): "Employed persons working from home by sex, age and professional status"
  • Swedish Public Employment Service: "Labour Market Trends 2023"
  • OECD(2023): "Remote Work and Productivity in the Nordic Region"
  • Swedish Chamber of Commerce: "Workplace Flexibility in Sweden, 2023"
  • Eurofound: "Telework in the EU after COVID-19"
  • Dutch Central Bureau of Statistics (CBS): "Working from home trends in the Netherlands, 2023"
  • Dutch Government Official Reports: "Work Where You Want Law – Legislative Review 2023"
  • European Policy Centre (EPC): "The Netherlands as a leader in hybrid working policies, 2023"
私たちはお客様と協力し、ワーカーの働き方が豊かになるスペースと人のつながりを通じて、組織の一員として誇りを持って働くことができる独自の文化と環境の構築をサポートします。