変化の激しい現代の職場環境において、従業員がどのようにコラボレーションを行っているかを把握することは、組織の成功にとって不可欠です。
Microsoftは、Veldhoen + CompanyのMarco van Gelder氏を迎え、『組織ネットワーク分析(ONA: Organization Network Analysis)』から、従業員のコラボレーションとイノベーションの密接な関係性について探るウェビナーを開催しました。
KEY TAKEAWAYS
- Microsoft Viva Insights とは、OutlookやTeamsの匿名化されたMicrosoft 365データを活用し、従業員個人のコラボレーションの傾向やグループ内でのコラボレーションのあり方、そしてそれが組織全体に与える影響を分析するツール
- 組織ネットワーク分析(ONA) とは、組織内のつながりや情報の流れを可視化し、コラボレーションの質や影響力を分析する手法。中心人物や孤立している人を特定し、組織の生産性や文化改善に役立つ
- ソーシャルキャピタル(社会関係資本) とは、人々や組織の間の信頼、規範、ネットワークなどの社会的なつながりが持つ価値を指す。ソーシャルキャピタルに注目することで、新しい働き方(ハイブリッドワーク)を通じた従業員体験の向上といった課題の解決につながる
データがコラボレーションのダイナミクスを解き明かすデータの存在
そもそもMicrosoft Viva Insightsとは何でしょうか?Microsoft Viva Insightsは、Microsoft 365の利用データ(メール、チャット、会議など)を活用し、従業員の作業習慣や働き方を分析するツールです。個人やチームの作業パターン、会議の頻度、作業時間、休憩の取り方、ストレスレベルなどを可視化し、組織全体の生産性やエンゲージメント向上につながる提案を行います。特にリモートワークやハイブリッドワークの環境改善に効果的です。
そして、組織ネットワーク分析(ONA)は、組織内の人間関係や情報の流れ、コミュニケーションのパターンを分析する手法です。組織内で誰が中心的な情報源となり、誰が協力的な役割を果たしているか、または孤立しているかを可視化し、組織のパフォーマンスや文化の改善に役立ちます。
Viva Insightsと組織ネットワーク分析(ONA)は、どちらも組織の生産性、エンゲージメント、ウェルビーイングを向上させるツールですが、それぞれ異なる視点でデータを提供します。この2つのアプローチを活用することで、個人の生産性とネットワークの相関関係を理解し、チームのコラボレーション向上や組織全体のコミュニケーション改善につなげることができます。
ウェビナーに登壇したスピーカーたちは、Viva Insightsを「データ分析を活用し、従業員のコラボレーションに関する本質的な問いに答えるためのツール」として紹介しました。その一例として挙げられたのが、メールのやりとりのタイミングに関する分析でした。最初のメール送信から最後の返信までの時間を解析することで、グループ内のコラボレーションの仕組みを把握し、組織全体への影響を明らかにすることができます。