私たちの考え方はパンデミックを経て大きく変わりました。私自身を含めて多くの人が柔軟な働き方を経験し、より良い生活を過ごす隙間が生まれました。今や私たちは働く場所や時間、方法、理由を選び、自律的に活動できる新しい働き方を求めています。これは実際に雇用主を選ぶ際の主要な要因となっています。「大量辞職」が起こる今、リーダーたちには組織文化やリーダーシップの実践を見直し、優秀な人材を引き留め、獲得するための取り組みが求められているのです。多くの組織が、物理的なオフィスをワークプレイスの中心としないハイブリッドな働き方を試す機会を活かしました。今や仕事に費やす時間や場所がますます独立し、複数のワークスペースが生まれようしています。
Veldhoen + Companyが以前に発表した「ハイブリッドの最先端:オーストラリアの事例からの学び」では、過去3年間オーストラリアの企業と協力し、オフィス復帰に向けたさまざまな方法やハイブリッドワーク戦略を試してきた事例をまとめています。また、さまざまな業界にわたる1,500人以上の回答者を対象に調査を実施し、オーストラリアの人々が長期間にわたるリモートワークやハイブリッドな働き方をどのように経験してきたかを整理しました。
驚きではないかもしれませんが、私たちの調査では、回答者の80%以上が週に少なくとも2日は自宅でのリモートワークを続けたいと考えており、5%未満が全く自宅で働きたくないと回答しました。複数の場所で働くことを選択した人たちの中には、リモートで行いたい活動とオフィスで行いたい活動には明確な違いがありました。自宅が個人的な仕事に適している一方、オフィスはコラボレーションやイノベーションにかかわる仕事、社交的な活動をサポートするのに最適だとされています。
経営層やリーダーにとって、異なる環境で従業員をサポートする方法を理解することは、ハイブリッドワークを採用する上で重要です。汎用的なアプローチというものはありませんが、従業員やチームの「選択」を重視したアプローチを取ることで、ワーカーに自律性や仕事の進め方を選択する自由が与えられます。私たちの経験から、これは従業員の満足度、生産性、エンゲージメントの向上につながることが多いと示されています。
この戦略を成功させるために、リーダーは組織の基本的なリーダーシップの実践を見直す必要があります。新しい働き方を支援するための3つの重要な要素は、1. 信頼を築くこと、2. 明確さを作り出すこと、そして 3. 成果に焦点を当てることです。
- 何を達成するか(結果)に重点を置くことで、信頼の関係を構築し、組織は従業員に時間の管理や仕事にウェルビーイングを組み込む権限を与えます。
- 働き方が非同期になるほど、従業員にとって「明確さ」が重要になります。明確さとは、リーダーが不在もしくはすぐに連絡が取れないときに、従業員が自律的かつ迅速な意思決定を行うための情報やマインドセットが共有されている状態を指します。
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信頼関係と明確さが存在すると、成果に焦点を当てることができます。その結果、リーダーは日常的な業務レポートの管理以上の優先事項に集中することができます。
これら3項目の実践はリーダーシップを語る上で目新しいものではありませんが、ハイブリッドワークを行う環境において特に重要です。この3つを採用して成功している組織は、エンゲージメントの高い労働力を作り上げ、生産性を向上させるだけでなく、より良い仕事の世界を共に築いています。詳細にご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。