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WORKTECH '23を振り返る:人のデータの重要性とは

7 3月 2024

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2023年に世界中で開催されたWORKTECHにおいて、Veldhoen + Companyは6つのカンファレンスに登壇し、各国で活躍するV+Cのチームが新しい働き方における独自の視点や最新情報について共有しました。その経験を経て、私たちV+Cが働き方・ワークプレイス戦略のリーダーとして他と差別化される重要な要素は、人々を中心に据えたアプローチにあると再認識しました。

Activity Based Working(ABW)を創設した組織として、私たちが今日クライアントや社内のメンバーと行う働き方に関する議論の多くは、約35年前にABWを提唱したときよりもABWとの関連性が高まっていると実感しています。 スコシアバンクやシャネル、シドニー工科大学といったクライアントと共同でプレゼンテーションを行ってきた経験から、私たちV+Cには新しい働き方を求めるクライアントにABWの良さや効果を提供できる準備が整っていると再認識しました。

私たちがクライアントと行うコラボレーションには、自社の人々がより良い働き方を見つけられるよう、より深い取り組みを実践したいと考えるリーダーやプロジェクト担当者が含まれます。

一方で、昨年開催された働き方に関する多くのイベントでは私たちのアプローチとは対照的に、将来の働き方に関する最新テクノロジーやそのテクノロジーが「人のつながりを生むオフィス」をサポートする機能について極端に強調される光景がよく見られました。私たちが日々主張している、今日の働き方に合うようにアップデートされた環境やそれを支える便利なツールが組織の日常的な活動を支える上で重要であるという視点は揺らぎません。

その上で、将来に向けた長期的な基盤を築くことに焦点を置く私たちV+Cにとって「人への投資と理解」が私たちが強調すべきメッセージであると、世界各地で働くコンサルタントの間で意見が一致しました。

 

Asset 9  KEY TAKEAWAYS

  • 私たちが登壇した6つのWORKTECHにおけるメッセージの共通点は、人々のデータと行動デザインを基軸としたリーダーシップを中心に働き方・ワークプレイス戦略を構築すること

  • 独立した働き方・ワークプレイス戦略コンサルタントとして、私たちV+Cのアプローチは3B(Bricks: 環境、Bytes: テクノロジー、Behaviours: 行動)に均等に焦点を当てている

  • ハイブリッドワークの時代において、リーダーシップは過去とはやや異なるものであり、その変化に対して私たちは従業員のエンゲージメントとアドボカシーに焦点を当てる必要がある

WORKTECH登壇ツアーから得られた5つのアイデア

昨年WORKTECHカンファレンスのスポンサーとして、オーストラリア、シンガポール、ヨーロッパ(アムステルダム、ストックホルム)、北アメリカ(ニューヨーク、トロント)を巡り、私たちのこれまでの経験を振り返ることができました。この記事では、その振り返りをもとに次世代の働き方・ワークプレイス戦略の構築につながる5つのヒントについて触れます。

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1. 意図を持った空間を作り、意義のある対話をサポートする

V+C北米チームのハイライトは、業界のリーダーたちと行ったディスカッションでした。北米チームはリモートワークを基本としておりチームが一緒に集まることはほぼありませんが(特にトロント・サンライフの綺麗な湖の景色と一緒に集まれることはありませんが)、彼らは地元の業界のリーダーたちも含めてつながる機会をWORKTECH登壇を通じてつくりました。

ディスカションの中で焦点となったのは、意図を持って空間をつくる重要性です。時間をかけて対面でつながる、会話するためのスペースを用意することで、ワーカーたちが会社について最も気にしている課題についてオープンに議論することができたといいます。この「意図的に集まる」ことが実りある議論につながった、と登壇者たちは語りました。また登壇者はカンファレンス終了後に、この数年間オンライン開催が基本となっていた中で、数年ぶりに対面イベントにもどれたことへの喜びも見せていました。

 

2. 基本に戻ることの重要性

「未来の働き方」というテーマにおいて、AIや持続可能な建物はアツいキーワードのようですが、このような「輝く新しいもの」は時に基本を忘れさせてしまいます。働き方変革やワークプレイス変革において、「行動(変容)」こそが鍵となります。

この考え方について、V+Cスウェーデンチームのシニアコンサルタント、ヨナス・テーランダーソンがストックホルムのカンファレンスでパネルディスカッションを主催し、登壇者にはペギー・ロース(Leesman社)、マイケル・カーク=ジェンセン(Predictio社)およびジャーカー・ダヴィッドソン(iManagement社)が参加したことで反響を呼びました。彼らは先に挙げた3Bの視点から、人々から得るデータがどのように彼らの専門分野へとつながっているかについて触れました。

パネルディスカッションのハイライト:

  • 人やワークプレイスの戦略は、組織の全体的なプロセスとよりリンクする必要がある
  • 近年のウェルビーイングに関するデータから、従業員が健康的な労働・休息・遊びのバランスを求めていることを示しているが、未だほとんどの組織は働き方・ワークプレイス戦略の重要議題として行動的要素を優先していない
  • テクノロジーは超高速で進化しているが、私たちの脳は同じスピードで進化していない。私たちは、仕事における雑念をできる限りなくすために、サイロ化を最小化し、結束を作り、望ましいサブカルチャーを育てるサポートを必要としている 

3. 質的・量的データに対する「イエス・アンド」アプローチを採用する

ここで最も伝えたいのは、ワークプレイスデータとワークプレイスのダイナミクスの両方を深く理解する必要があるということです。

V+Cオーストラリアチームのオーウェン・ヒギンズは、オーストラリア・シドニーで開催されたWORTECH登壇時に量的データと質的データの両方を重ねることが繊細なインサイトを構築するのに役立つということを繰り返し強調しました。

また、アメリカ・ニューヨークのWORTECHでシニアコンサルタントのゾーイ・チェンが主催するパネルでスピーカーを務めたベン・ボールドウィンも、多角的なデータ収集が彼のチームにとって最も予想外かつ重要なインサイトの提供につながったと語っています。新しい働き方に対する答えは時に派手なものではないのです。

この内容から私たちが学べるのは、データ収集への総合的なアプローチをとることで、より良い解決策につながる可能性が高いということです。質的データ・量的データ両方の収集に「Yes and...」という姿勢をとることで、データから重要なインサイトを見つけ出すという前向きな取り組みが可能になります。

 

4. ワークプレイス戦略の中心の人のデータを置く

スウェーデン・ストックホルムでのパネルでは、目に見える形で実現しやすい物理的環境(Bricks)やデジタルツール(Bytes)が、一見目に見えない人のデータ(Behaviours)よりも働き方やワークプレイスの投資として優先される背景について触れました。

しかし私たちの経験では、一般的にこのような行動の要素が後回しにされる傾向とは対照的に、意義のあるワークプレイス変革を実現する上で骨格となるのは「人」の部分なのです。プロジェクトの中で個人やチームのニーズを熱心に観察し耳を傾ける段階では、彼らにとって十分なサポートを受けていると実感を得られるようなプロセスをとる必要があります。幸いにも、人中心のデータを活用して変革の方向をクライアントと共に定めるのは私たちの専門分野です。 

 

"(働き方やワークプレイス戦略を構築する上で)最大の失敗は人への情熱を失うことです。私たちがすべきことは、従業員を支援し続け、彼らのニーズに耳を傾けることです。自社で働く人々を理解し、彼らが必要とするものを得るために努力する必要があります。"

Ben Baldwin
Fidelity | Workplace Insights, Director

 

 

私たちが支援してきたクライアントの事例をご覧ください。

5. 行動優先型のリーダーシップを目指す

6つのWORTECHカンファレンスを通じて、企業はハイブリッドワークの環境をどのようにサポートすべきか依然として議論を続けています。カンファレンス参加者との会話を通じて、新しい働き方に関連する課題やトピックにおける質問には次のような共通点があります:

  • 帰属意識を維持するにはどうすべきか?
  • 働き方の柔軟性と人のつながり、部門間のコラボレーションの3つを実現する適切なバランスはどのように実現できるか?
  • チームのウェルビーイングはどのように確保できるか?

リーダーは一歩引いて、既存の課題が交差し合うポイントを見つけ、それからチームを望ましいビジョンに導く必要があります。そのためにはリーダーのビジョンが明確でなければなりません。そして彼らには時にこのような議論を行うために十分な余裕を持てるようサポートが必要としています。

 

"ハイブリッドワークは意図を持って導入されますが、その行動を補完するサポートや戦略がなければ、それは一体何を意味するものになるでしょうか?あなたは自分のチームメンバーについて、彼らがハイブリッドワークを実践できるほど十分に理解できていますか?"

Iris Walenkamp
IW Consulting | Founder/Consultant

この質問に対する答えは、メンバーとの本物の関係を構築し、人のデータを適切に収集し、チームがいつ、どこで、誰と一緒に働くかを自覚的に選択できるようにすることから始まります。

 

私たちは組織・チームを「人優先」のワークプレイスへと導きます

Veldhoen + Companyでは、組織が持つ目標と戦略の方向性を合わせ、行動優先のアプローチを推進しています。V+Cでは、お客様の働き方・ワークプレイス戦略が組織や従業員の変化するニーズに適応し、生産性や従業員のエンゲージメントを向上させ、より良い働き方の世界の実現に向けたサポートを提供しています。ご興味のある方は問い合わせページよりご連絡ください。

私たちはお客様と協力し、ワーカーの働き方が豊かになるスペースと人のつながりを通じて、組織の一員として誇りを持って働くことができる独自の文化と環境の構築をサポートします。